2024/06/28 16:17
Producer's Story
有限会社石孫本店
▸お話をお伺いした、石川裕子代表、石川果奈専務、総務企画・海外担当の守屋さん。
【石孫本店が生まれた一言】
秋田県南部に位置する、湯沢市岩崎地域にて安政2年創業の石孫本店。なんと来年2025年で創業170周年の老舗味噌・醤油醸造所です。
今回お話しをお伺いした石川裕子代表が6代目当主。石川果奈専務が7代目当主でいらっしゃいます。
もともと本家が造り酒屋だったそうで、東洋一の大銀山として名を馳せた院内銀山に酒を売りに行った際に「醤油はないのか。」と言われたのが醤油造りのきっかけ。
当時この地域では各家で味噌を作り、味噌たまりを醤油のように使っていたことから醤油屋さんがなかったそうですが、酒蔵の杜氏がたまたま醤油の作り方を知っていたので、醤油造りを始めたのとか。
醤油を売ったら、「今度は味噌を作ってほしい。」と言われ。そうして、味噌も作るようになったそうです。
現在は醤油や味噌のほか、みそたまりや塩麴等の発酵加工品も製造されています。
▸石孫本店さん入口にある商品一覧
秋田県南部に位置する、湯沢市岩崎地域にて安政2年創業の石孫本店。なんと来年2025年で創業170周年の老舗味噌・醤油醸造所です。
今回お話しをお伺いした石川裕子代表が6代目当主。
石川果奈専務が7代目当主でいらっしゃいます。
もともと本家が造り酒屋だったそうで、東洋一の大銀山として名を馳せた院内銀山に酒を売りに行った際に「醤油はないのか。」と言われたのが醤油造りのきっかけ。
当時この地域では各家で味噌を作り、味噌たまりを醤油のように使っていたことから醤油屋さんがなかったそうですが、
酒蔵の杜氏がたまたま醤油の作り方を知っていたので、醤油造りを始めたのとか。
醤油を売ったら、「今度は味噌を作ってほしい。」と言われ。そうして、味噌も作るようになったそうです。
現在は醤油や味噌のほか、みそたまりや塩麴等の発酵加工品も製造されています。
▸石孫本店さん入口にある商品一覧
【時代を超えて守り継がれる製法】
創業当時とほぼ同じ手造りの仕込み方法を継承しながら、秋田県産の原材料にこだわった造りをされています。
170年という長い歴史なので「創業当時とほぼ同じ!?」と驚いた方もいらっしゃると思います。
私たちも蔵見学を何度かさせていただいたのですが、そこには歴史を感じるものがたくさんありました。
例えば、麦炒り機(写真1)。醤油造りの最初に行う、麦を炒る作業で使う機械です。
大正期に作られたものとされ、当時は最先端のものでしたが、現在は石炭を用い時間をかけて麦を炒る装置としては現存する国内唯一の装置なのだそうです。
2011年の東日本大震災によりレンガがゆるくなり、組み直すため職人を探したがなかなか見つからず。2014年に無事組み直しができ、中にステンレス板を貼ったことで、さらに100年は使えるようになったそうです。
また、麹蓋(こうじぶた)(写真2)での麹づくりや、木桶(写真3)による熟成も全国では希少です。
木桶はどれも明治から大正期に作られた100年超えの代物。天然秋田杉でできています。その木肌には蔵付き酵母「いしまご恵比寿酵母」が住み着いていて、味噌は約8か月、醤油は約1年以上かけて熟成します。
木桶を置いてある熟成蔵のうち四号蔵と五号蔵は国登録有形文化財。一番新しい五号蔵で大正5年の建築なんだそう。
とにかく、歴史を感じるものばかりですが、この歴史を守っていくことにもたくさんの苦労があります。
前述の麦炒り機が直って喜んでいたのも束の間。今度は炒るために使う石炭が手に入らなくなり、仕入れ先を探すのに四苦八苦。
また、木桶は100年超えで、どれも寿命を迎えているため順次補修を行う必要があります。
数年前には醤油桶の底が抜けた事件があったそうですが、桶職人も年々減っているため探すのに一苦労。無事見つかりましたが、修繕には1年かかったそうです。
▸歴史を感じるものたち(一部)(1)麦炒り機 (2)麹蓋 (3)木桶
創業当時とほぼ同じ手造りの仕込み方法を継承しながら、秋田県産の原材料にこだわった造りをされています。
170年という長い歴史なので「創業当時とほぼ同じ!?」と驚いた方もいらっしゃると思います。
私たちも蔵見学を何度かさせていただいたのですが、そこには歴史を感じるものがたくさんありました。
例えば、麦炒り機(写真1)。
醤油造りの最初に行う、麦を炒る作業で使う機械です。
大正期に作られたものとされ、当時は最先端のものでしたが、
現在は石炭を用い時間をかけて麦を炒る装置としては現存する国内唯一の装置なのだそうです。
2011年の東日本大震災によりレンガがゆるくなり、組み直すため職人を探したがなかなか見つからず。
2014年に無事組み直しができ、中にステンレス板を貼ったことで、さらに100年は使えるようになったそうです。
また、麹蓋(こうじぶた)(写真2)での麹づくりや、木桶(写真3)による熟成も全国では希少です。
木桶はどれも明治から大正期に作られた100年超えの代物。天然秋田杉でできています。
その木肌には蔵付き酵母「いしまご恵比寿酵母」が住み着いていて、味噌は約8か月、醤油は約1年以上かけて熟成します。
木桶を置いてある熟成蔵のうち四号蔵と五号蔵は国登録有形文化財。一番新しい五号蔵で大正5年の建築なんだそう。
とにかく、歴史を感じるものばかりですが、
この歴史を守っていくことにもたくさんの苦労があります。
前述の麦炒り機が直って喜んでいたのも束の間。
今度は炒るために使う石炭が手に入らなくなり、仕入れ先を探すのに四苦八苦。
また、木桶は100年超えで、どれも寿命を迎えているため順次補修を行う必要があります。
数年前には醤油桶の底が抜けた事件があったそうですが、桶職人も年々減っているため探すのに一苦労。無事見つかりましたが、修繕には1年かかったそうです。
▸歴史を感じるものたち(一部)
(1)麦炒り機 (2)麹蓋 (3)木桶
【継承と変化の両立】
石孫本店さんにとって、仕込み方法などは変えずに継承していくこと。
ですが、変えていくこともあります。
例えば、パッケージサイズ。
単身世帯が増えたり、ひと家族の構成員数が減っていたり、
また若い世代を中心に味噌汁を飲む機会が減っていたり。
時代の変化に合わせて、手に取ってもらえるようパッケージサイズを工夫されています。(何度かサイズを変更しているそうですが、どんどん小さくなっているそうです。)
また、若い世代にも味噌を使ってもらいやすいようにと、
パンに塗る味噌「MISO SPREAD」を開発されました。
昔ながらの製法にはとことんこだわり、お客様には寄り添って。
インタビューの中でお伺いした「こだわりと想い」
・できる限り地元の材料を使うこと
・手間暇かけて作ること
・変えるものと変えないものを両立していくこと
さらに素敵だなぁと思ったのは、スタッフの声を大事にする、ということ。そうして作った新商品が人気になったり。
「1日の1/3の時間は職場にいるので『みんなで』作っていきたい」という社長のお言葉が印象的でした。
▸MISO SPREAD
【石孫本店の“あんしん”と“おいしさ”】
小さい頃から慣れ親しんだ「安心する味」って、誰しもあると思います。
味噌汁の味は、特にふるさとの味、お袋の味としてずっと身体に染みついている方が多いのではないでしょうか。
親元を離れた方が、石孫さんの味噌で作った味噌汁を飲んで実家を思い出すことも多いそう。
いつも食卓にあって欠かせない調味料である味噌や醤油は、そんな「ふるさとを思い出させてくれる力」があるのだと思います。
また、普段味噌汁を飲まない子供が
「おばあちゃんのところに行ったら味噌汁を飲むようになった」という声を年に1・2回いただくそうです。
秋田味噌の特徴である、大豆よりも米麹をたくさん使う甘いお味噌は、お子様にも好評のようです。
色々ありますが、醸造文化を守り継承することを家訓とされている石孫本店さん。
「昔ながらの味噌醤油屋の風情」を後世に残すよう努めている、とのことでしたが、ここでしか見られないもの、ここでしか聞けない話などは、今を生きる私たちにとってどれも新鮮なことばかり。
秋田に、湯沢に、石孫本店さんがあることは
とても嬉しく、誇らしいことだなぁと思いました。
▸店舗外観
▸大正時代の新聞
石孫本店さんの商品はコチラから↓
■【蔵人が手塩に掛けた逸品を取りそろえました】石孫本店の醤油+味噌 3種詰め合わせセット
■【パンと食べる新感覚のお味噌!】MISO SPREAD(ミソスプレッド) 2種セット
■【100年以上使い続ける木桶でじっくり熟成】石孫本店の味噌 3種詰め合わせセット
■【伝統製法から生まれる正真正銘の手造り醤油】石孫本店の醤油2種+みそたまり 詰め合わせセット
【有限会社 石孫本店】
代表:石川 裕子
所在地:秋田県湯沢市岩崎字岩崎162番地
(文責:奥良美)